背を伸ばすための食生活

成長期の子どもが大きくなっていくために必要な「食事」。小学生から高校生にかけての成長期は、必要とされるエネルギーや栄養素の量が増えているので不足しやすい時期と言われます。多くの栄養を摂取して体をつくっていくために、栄養バランスのとれた食事は欠かせません。

成長期のなかで身長を伸ばしていくには、普段からどんな食べ物や栄養分を摂っていけばいいのか覗いてみましょう。

成長期に特に必要な5つの栄養素

身長を伸ばすために大切な栄養素として、カルシウム・マグネシウム・たんぱく質・亜鉛・ビタミンDなどがあります。成長期に存在する骨が伸びる骨端線は、この5つの栄養素を摂取することにより身長が伸びる条件が揃います。

したがって、これらの栄養素をバランス良く摂ることが重要とされ、どれか一つだけに偏って摂取しても意味がありません。思春期にもなると体の急激な成長にともない栄養素の必要量も変わってきます。

栄養は食事からの摂取が基本となりますが、好き嫌いや偏食気味の子どもは必要な栄養素をすべて食事から摂るのは難しいと思います。

足りない不足しがちな栄養素は成長サプリなどで補助しましょう。サプリにも様々な種類があるので、背を伸ばすのに必要な栄養素が配合されているものを選ぶようにしましょう。

「カルシウム」と「たんぱく質」の重要性

カルシウムは骨を丈夫にして、たんぱく質は骨を伸ばす働きをします。

カルシウムは牛乳に多く含まれていますが、身長を伸ばす直接的な関係はありません。牛乳を飲んでいれば背が伸びると信じ子どもに飲ませている親も多いかもしれませんが、カルシウムは骨を強くしてくれる栄養素です。

カルシウムはマグネシウムと共に摂取すると吸収しやすい状態にして骨に定着します。

たんぱく質は成長の促進に効果が期待できます。たんぱく質のなかのアミノ酸「アルギニン」には、成長ホルモンを分泌する働きがあります。成長ホルモンが作用して骨や筋肉が伸びることで身長が伸びます。特に魚介類に多く含まれています。

「アルギニン」にプラスして「オルニチン」も成長ホルモン分泌のカギとなり欠かせない栄養素です。主に、しじみや牡蠣などに含まれています。また、オルニチンの働きを助けるチーズも合わせて摂取するとよいでしょう。

緑黄色野菜の摂取も成長促進には欠かせません。緑黄色野菜のなかでも、小松菜・ほうれん草・ブロッコリー・かぶなどにはカルシウムも豊富に含んでいるので相乗効果が期待できます。

必要な栄養素が多く含まれる食べ物

成長には大きく分けると「骨を強くする」カルシウム・マグネシウム・ビタミンDと「骨を伸ばす」たんぱく質・亜鉛に分類されます。

カルシウム

骨を形成するために必要な栄養素。身長はカルシウムを主にした栄養素が合成して骨が作られ伸びていく仕組みになります。

カルシウムは体の様々な機能を調節する働きも持っているので、不足してしまうと血中に溶け出して体の調節に使われてしまいます。そうなると、全体のカルシウム不足で身長が伸びにくい状況をつくってしまいます。

【食べ物】

乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
小魚(干しえび・ししゃも・いわしなど)
海藻(わかめ・ひじきなど)
野菜(小松菜・切り干し大根・チンゲン菜など)
豆類(豆腐・油揚げ・納豆など)
ごま

砂糖・インスタント食品は吸収を妨げる可能性がある

砂糖の摂りすぎはカルシウムの排泄量を増やしてしまうため「骨泥棒」と呼ばれます。砂糖が多く含まれるジュースやお菓子類はなるべく控えるようにしましょう。

インスタント食品もカルシウムの吸収を阻害するリンが多く含まれているので食べ過ぎには注意しましょう。

たんぱく質

身長を伸ばすうえでもっとも大切なたんぱく質。たんぱく質には動物性と植物性の2種類があり、両方をバランス良く摂取するのが理想とされます。

動物性たんぱく質だけに偏ってしまうと肥満などの影響が出やすくなってしまいます。植物性たんぱく質と摂取することでカロリーをコントロールできるので肥満を防ぐことができます。

【食べ物】

動物性たんぱく質

肉(豚肉・牛肉・鶏肉など)、魚介類(しらす干し・いわし・いくら・マグロ・カツオなど)、卵類(鶏卵・うずらの卵など)

植物性たんぱく質

豆腐・納豆・みそなどの大豆製品、お麩

マグネシウム

マグネシウムは骨の強度を高めて、エネルギー代謝にも役立つミネラルです。ミネラルはカルシウムの吸収を助けて丈夫な骨作りを支える栄養成分です。

カルシウムとマグネシウムは2:1のバランスの比率で摂取すると、効率的にカルシウムを吸収することができます。

【食べ物】

大豆製品(きな粉・ゆで大豆・いんげん豆など)
ナッツ類(アーモンド・ピーナッツ・落花生など)
玄米
海藻類(昆布・のり・わかめなど)
魚介類(カツオ・牡蠣など)
ほうれん草

亜鉛

不足しやすい栄養素のひとつでもある亜鉛。亜鉛は骨や皮膚、内臓など体の組織を成長させるたんぱく質の合成に必要な栄養素です。亜鉛が不足すると身体は成長しづらくなります。

【食べ物】

肉類(豚レバー・豚もも肉・和牛もも肉・ささみ肉など)
魚介類(牡蠣・ウナギ・さんま・ホタテなど)

ビタミンD

ビタミンDもたんぱく質の合成に必要な栄養素で、背を伸ばすために必要な栄養素です。ビタミンDが不足すると、骨の変形や成長障害につながりやすいとも言われています。

【食べ物】

魚類(鮭・ぶり・サンマなど)
キノコ類(しいたけ・きくらげ・しめじ)

食べ合わせることで相乗効果が期待できる

背を伸ばすのに必要な栄養素は食べ合わせによって吸収率を上げる相乗期待できます。

カルシウム

ビタミンCやビタミンDと摂取すると、カルシウムの吸収率を高めて骨への沈着のサポートをします。お酢には胃液の分泌を促進させる効果があり、カルシウムを溶けやすくして吸収しやすい状態にします。

たんぱく質

たんぱく質を豊富に含んでいる鶏卵は、加熱してお肉やお魚と一緒に食べると、たんぱく質が分解されやすくなり効率よく骨の成長を促進させることができます。

そのほかにも以下のビタミン類、ビタミンB2、B6が豊富な食品と食べ合わせると体内の吸収率が上がります。

【ビタミンB2が豊富な食品】

豚、牛、鶏のレバー、たらこ、ウナギ、サバ、納豆、鶏卵、うずらの卵など

【ビタミンB6が豊富な食品】

レバー、鶏肉、カツオ、マグロ、ニンニク、ジャガイモ、バナナなど

亜鉛

亜鉛はたんぱく質との摂取でお互いの吸収率を高めます。レモンやグレープフルーツ、キウイやイチゴなどの柑橘類を食べ合わせると、ビタミンCとクエン酸を同時に摂取できるので、亜鉛の吸収率が促進されます。

必要な栄養素をとり入れた食事メニュー

・豚の角煮

・麻婆豆腐

・小松菜と豆腐のみそ汁

・ひじきの煮物

・牡蠣と野菜のオイスターソテー

ほかにもいろいろなメニューがあるので、子どもが好きそうなメニューを中心に、成長期に必要な栄養素と食材をとり入れたレシピを考えていきましょう。

「主食・主菜・副菜」でバランスの良い食事を摂ろう

子供の成長の基本は栄養バランスのとれた食事です。バランスの良い食事とは、主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)・副菜(ビタミン、ミネラル、食物繊維)を組み合わせることです。

調理方法が重ならないように、主菜が揚げ物なら副菜は油は使わないものにするなどの工夫も大切です。主な材料も重ならないようにして、足りない栄養は汁物や果物を加えるとよいでしょう。

栄養吸収には腸内環境の調節も大切

腸内環境が正常でないと、身長の原料となる栄養素を取り逃がしてしまう恐れがあります。せっかく身長のことを考えた食事を作っても、そのほとんどがお通じで排出されてしまってはもったいないです。

腸内環境を良くするためには、食物繊維と発酵食品を多めに摂取するのが効果的です。食べ物では、豆・ごぼう・さつまいも・玄米などがおすすめです。それに加えて、オリゴ糖も一緒に摂取するとより効果が期待できます。

栄養バランス満点の食事で背を伸ばそう

背を伸ばすために役立つ栄養素や食べ物を紹介してきました。直接的に背を伸ばす食べ物というものは存在しませんが、骨の促進を助ける栄養素は存在します。

子どもは好き嫌いやお菓子ばかり食べて偏食する子も多いかもしれませんが、大事な成長期のうちに、毎食、主食+副菜+主菜の料理を上手に組み合わせて効率よく栄養を摂取していきましょう。

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