筋肉を作るだけではない!子どもの身長を伸ばす「たんぱく質」の効果

身長を伸ばすには、「カルシウム」が大切なことはよく知られていますが、実は、筋肉を作る「たんぱく質」も身長を伸ばすために、とても重要な役割を果たしています。たんぱく質には、どんな作用があるのでしょうか?

子どもの身長を伸ばすのはカルシウムではないの?

世間では、身長を伸ばすには、「カルシウム」という強いイメージがあります。そして、「たんぱく質」は、英語でプロテインと訳されることもあり、筋肉をつけるイメージを持つ人が多いようです。

実際には、カルシウムは「骨を丈夫に作る」栄養素で、たんぱく質は「骨を伸ばす」栄養素と言われています。つまり、身長を「伸ばす」ための栄養素となると、骨を伸ばす「たんぱく質」となるのです。

骨を成長させるには「たんぱく質」が不可欠!

たんぱく質が骨の成長に必要な理由は、「骨端線」と「成長ホルモン」が関係しています。身長を伸ばすということは、骨端線を伸ばすことです。骨端線は、骨と骨のすき間にある軟骨細胞のことになります。

骨端線の軟骨部分に、成長ホルモンが働きかけると、軟骨細胞が増殖して、骨が伸びていきます。この成長ホルモン分泌の促進剤となるのが、「たんぱく質」です。

つまり、身長を伸ばすためには、骨を伸ばすと言われる「成長ホルモン」が大切です。そして、その成長ホルモンの分泌を促進させる「たんぱく質」は、欠かすことができない成分になります。

骨を伸ばす「成長ホルモン」の役割とは?

成長ホルモンとは、その名前の通り「体の成長を助けるホルモン」で、疲労回復や美肌づくり、発毛など大切な役割を担っています。成長ホルモンは、さまざまなホルモンの働きをコントロールしている脳下垂体という器官で作られています。

たんぱく質は体内で作り出せるの?

たんぱく質は、20種類のアミノ酸から作られています。その内の11種類は、「非必須アミノ酸」と呼ばれ、人の体内で作り出せます。

残りの9種類は、人の体内で作り出せない「必須アミノ酸」であり、必ず食べ物から取り入れなくてはなりません。

特に大事!非必須アミノ酸の「アルギニン」

アミノ酸の中でも、成長ホルモンの分泌を促進する「アルギニン」はとても重要です。

アルギニンは、体内で作り出せる非必須アミノ酸ですが、体の機能が未熟な子ども(幼児)は、体内で作り出す量が十分ではありません。そのため、特に子どもは、不足したアルギニンを食事でしっかり補う必要があります。

たんぱく質が豊富に含まれる食材

たんぱく質は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によると、「三大栄養素」と呼ばれています。三大栄養素とは、「体になくてはならない栄養素のうち最も重要なもの」という意味です。

体の土台を作る大切なエネルギー源であるたんぱく質が、豊富に含まれる食材は、「肉、魚、卵、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品」になります。また、たんぱく質には、動物性と植物性の2種類があります。

動物性…豚肉や牛肉、魚(マグロ・アユ)に含まれている。
植物性…大豆や豆などの野菜類に含まれている。

そして、たんぱく質と同時に、「ビタミンB6」も摂りましょう。ビタミンB6の働きは、たんぱく質の吸収を高めることです。この成分は、たんぱく質の不足しがちな成長期の子どもほど多く摂る必要があります。

落花生やバナナなどに含まれるビタミンB6は、たんぱく質が豊富に含まれる食材でも摂取できます。その中でも、おすすめは「肉(レバー・ささみ)、魚(マグロやカツオの赤身)」などの、動物性たんぱく質の食品になります。

しかし、動物性のたんぱく質の過剰摂取は、カルシウムの吸収率に悪影響を及ぼすこともあります。

たんぱく質の過剰摂取はカルシウム不足になる

動物性のたんぱく質を摂り過ぎると、体内の血液が酸性に傾きます。体が酸性に傾くと、免疫力が低下して、さまざまな病気を引き起こす可能性が高まります。

そのため、体は血液を酸性から中性に保とうと働き、カルシウムで中和する機能を備えているのです。その時に使われるカルシウムは、骨や歯から引き出されています。そして、体から尿として外へ排泄されます。つまり、たんぱく質を過剰に摂取すると、カルシウム不足の原因になるのです。

摂り過ぎた栄養素は、どんなに良質のカルシウムやたんぱく質でも、尿として排出されるため、全部ムダになってしまいます。たんぱく質とカルシウムは、適量を摂るのが大切です。

大人よりも成長期の子どもは栄養が必要!

下記の表は、1日に必要なカルシウムとたんぱく質の平均の推奨量です。ここでは、成人の男女と、成長のスパート期である成長期や思春期の年齢にあたる、12~14歳の男女を比較しています。

カルシウムとたんぱく質の1日の推奨摂取量

成人男性 成人女性 成長期の男子 成長期の女子
カルシウム(mg) 800mg 650mg 1,000mg 800mg
たんぱく質(g) 60g 50g 60g 55g

成長期の子どもは、大人と同じ量、もしくはそれ以上に、栄養を摂らなければいけません。しかし、過剰摂取も体に良くありません。1日の平均摂取量を意識して、適切な量のカルシウムとたんぱく質を摂取するなど、改めて、食生活を見直してみましょう。

たんぱく質は「骨を伸ばす=身長を伸ばす」栄養素

子どもの身長を伸ばすには、強い骨を作るカルシウムも大切ですが、骨を伸ばすには、たんぱく質を摂るべきです。

子どもの身長をぐんぐん伸ばすには、たんぱく質を含む食品を摂取して、成長ホルモンを活発に分泌させるのが重要となります。しかし、たんぱく質の過剰摂取にならないように、栄養バランスを考えて、色んな食材を食べてください。

また、たんぱく質を摂取する「食事」以外にも、質の良い睡眠や適度な運動をすることも、成長ホルモンの分泌を促します。この「食事・睡眠・運動」のトリプル生活習慣を大切にして、身長を伸ばしましょう。

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