不足すると子どもの身長に影響を及ぼす「鉄分」の役割とは?

3歳児検診は、周りの子どもと我が子の成長の差を比べ、「身長が低い・体が小さい」と親の悩みが生まれる場になることも。その一方で、子どもの成長について、耳寄りな情報を得られる場でもあるようです。

今回は、身長が低い原因は「鉄分不足」という情報を得たママやパパの疑問を解決します。また、小食気味の子どもでも、気軽に食べられる鉄分豊富な食品もご紹介します。

身長を伸ばすには「鉄分」が関係するの?

鉄分は、子どもの身長を伸ばすために欠かせない栄養素で知られる「カルシウム」や「マグネシウム」と同様に、不足すると身長の伸びに影響を及ぼします。

1日の鉄分の摂取量が少ない子どもは、将来、身長が伸びない可能性が高いです。

なぜ「鉄分」が足りないと身長が伸びないの?

人間の体に必要とされる必須ミネラルである「鉄分」は、「ヘモグロビン」を作る役割があります。このヘモグロビンは、血液中の赤血球に含まれている赤い色素のことです。ヘモグロビンの働きにより、酸素と栄養を全身へ運んでくれます。

つまり、体内でヘモグロビンを作るための重要な栄養素が「鉄分」になります。そのため、ヘモグロビンの材料である鉄分が不足すると、体中に栄養が届けられず、身長が伸びないと言われます。

鉄分不足の子どもが多いって本当?

現在、鉄分不足の子どもは多いです。その理由には、人は生後6ヶ月を過ぎると、体内に蓄えていた鉄分がほとんどなくなってしまいます。

そして、特に、発育の盛んな乳児期後期~幼児期(生後9ヶ月~2歳)や成長期(思春期)は、体が急激に発達するのに対して、必要な鉄分が満足に与えられていないためです。

鉄分不足は「鉄欠乏性貧血」になりやすい

鉄分不足は、身長の伸びに影響を及ぼすだけではありません。体内の鉄分が不足する事により、十分にヘモグロビンを生産できなくなることで生じる「鉄欠乏性貧血」になる確率が高いです。

これは、上記でも述べたように、鉄分が不足すると、体中に酸素と栄養が行き届かないため、「顔色が悪い、頭痛、疲れやすい、睡眠障害」などの症状が表れます。

また、鉄分不足は、脳の発達に支障をきたすこともあります。このように、体内から鉄分が不足してしまうと、子どもの成長に悪影響をもたらすため、積極的に鉄分を摂取してください。

幼児に必要な1日の鉄分量とは?

まずは、1~5歳までの幼児が、1日に摂取すべき鉄分量を見ていきましょう。

鉄の食事摂取基準

1~2(歳)の男児 1~2(歳)の女児
鉄分(mg) 4.5mg 4.5mg
3~5(歳)の男児 3~5(歳)の女児
鉄分(mg) 5.5mg 5.0mg

では、1日に必要な鉄分を摂るには、どんな食材を食べると良いのでしょうか?

鉄分を多く含む食材といえば、レバーやプルーンを思い浮かべる人も多いですが、他にも、「肉、魚、貝、豆類(大豆)、緑黄色野菜、海藻」など、鉄分を豊富に含む食品はたくさんあります。

食品に含まれる鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類


ヘム鉄…肉、魚、貝などの動物性食品に含まれる。体内への吸収率は高い。
非ヘム鉄…野菜、豆類、海藻などの植物性食品に含まれる。体内への吸収率は低い。

厚生労働省「国民健康・栄養調査」の結果によると、日本人は、非ヘム鉄を多く含む野菜や海藻をよく食べていると言われています。

しかし、非ヘム鉄は、体内への吸収は低く、ヘム鉄の方がはるかに吸収がよいです。

そのため、非ヘム鉄を食べるときは、「ビタミンC」や「たんぱく質」のような鉄分の吸収を促進する栄養素も一緒に摂取する必要があります。

非ヘム鉄はビタミンCと動物性たんぱく質で吸収率アップ!

非ヘム鉄は、ビタミンCや動物性たんぱく質を同時に摂ると、その吸収率をアップすることが知られています。つまり、鉄分を含む食材と、ビタミンCとたんぱく質を含む食材を組み合せて食べるのが大切です。


ビタミンC…キャベツ、ブロッコリー、じゃがいも、いちご、キウイなどの野菜や果物
動物性たんぱく質…レバー、ささみ、マグロやカツオなどの肉や魚

反対に、タンニンが含まれる「緑茶」や「紅茶」、カルシウム量が多い「牛乳」や「乳製品」をたくさん摂ることは、鉄分の吸収を阻害してしまうので、食事をするときには十分に気を付けましょう。

しかし、ママやパパが、どんなに子どもの食事に気を使っていても、子どもが「食べたくない!」と嫌がることはよくあることです。そんな時には、ココアやサプリメントを活用してみてはいかがでしょうか?

イヤイヤ期にはココアやサプリメントで鉄分補給

三度の食事やおやつなどからの鉄分摂取が難しい場合は、ココアやサプリメントを利用するという手段もあります。ぜひ取り入れてみてください。

手軽に鉄分を補える「ピュアココア」がベスト!

幼児には、ココアを飲ませましょう。ほとんどの小さい子どもは、ココアの味が好きで、鉄分を補うのに最適です。

また、ミルクココアよりもピュアココア(純ココア)が鉄分量が多く含まれています。ミルクココアには100mlあたり「2.9mgの鉄分」に対して、ピュアココアは、「14mgの鉄分」です。

しかし、砂糖やミルクなど何も配合されていないピュアココアは、飲むのが面倒くさいイメージを持つ人もいます。そんな人には、ココアペーストの作り置きがおすすめです。

材料は、ピュアココアと砂糖と水のみなので、時間がある時に、ピュアココアのペーストを作りましょう。

ピュアココアのペーストの作り方(調理時間:10分)

材料(約10杯分)
・ピュアココア…大さじ3
・砂糖…大さじ6〜7
・水…150cc

作り方
1.ココアと砂糖をよく混ぜる。ココアと砂糖がきちんと混ざっていないと、後に水を入れる際に、ダマになりやすいので、ムラなくなじませる。
2.水を少しずつ入れて混ぜる。水を少しずつ入れることでダマを防ぐ。
3.鍋を中火にかけ、ヘラで混ぜながら沸騰させる。沸騰してから3分間ほど煮詰める。
4.綺麗な容器に移したら完成!

ピュアココアは、少し作るのに手間がかかりますが、一度作っておくとアイスにもホットにもすぐ使えて便利です。飲むときは、ホット・アイス共に150cc程度の牛乳を準備してください。

作ったココアペーストは、冷凍庫で1ヶ月、冷蔵庫でも2週間ぐらいは持ちます。

効率的に「鉄分」を摂れる身長サプリメントの活用

身長サプリメントの効果は、日本小児内分泌学会よると、「鉄分不足の子どもには効果がある」と言われていますが、「鉄過剰症」には注意してください。

通常は、食事で多めに鉄分を摂取したとしても、尿などによって、基本的に体外に排出されるため、特に問題はありません。しかし、サプリメントの過剰摂取の結果、吐き気・嘔吐・下痢などの副作用が起きます。

他にも、鉄分が肝臓などの臓器に沈着してダメージを与えることがあり、肝障害や心不全などの臓器障害を引き起こす危険性もあります。サプリメントは、しっかりと用法・用量を守って、正しく活用しましょう。

鉄分は子どもの身長を伸ばし貧血予防する栄養素

鉄分には、子どもの身長を伸ばす効果だけでなく、貧血を防ぐ働きがあります。つまり、鉄分は、子どもたちの体を健やかに成長させるために欠かせない成分なのです。

また今後、訪れる成長期や思春期の子どもは、運動によるケガでの出血や、女性だと月経が始まるなど、さらに鉄分不足になる傾向があります。そのため、幼児期から鉄分を摂取する習慣を、きちんと身に付けておきましょう。

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