高身長で悩む子どものために「身長を止める方法」を調べてみた結果

身長が高くて悩む思春期の女の子は多く、周りの友達から何気なく言われる「また身長が伸びた?」という一言に傷ついているようです。

成長スパート期である思春期の子どもの身長を止める方法はあるのでしょうか?今回は、高身長女子の悩みを元に「身長を止める方法」について調べてみました。

思春期の子どもの身長を止める方法はあるの?

残念ながら、身長を止める方法はありません。しかし、骨端線(成長線)が閉じると、人間の身長は、自然に止まっていきます。

存在しないと身長が止まる骨端線とは?

子どもの骨には、成長期にしか存在しない骨端線(成長線)があります。この骨端線部分にある軟骨細胞が増え、子どもの柔らかい骨から、大人の硬い骨になることで、身長は伸びていきます。

言い換えると、骨端軟骨が増殖しないと身長は伸びません。

骨端線は、未熟な子どもの骨から、成熟した大人の骨になると完全に閉じます。一度、骨端線が閉じると開くことはなく、身長も伸びることもありません。

骨端線の閉鎖を確認する方法

骨端線の有無は、手の平のレントゲン撮影で確認できます。レントゲンを見ると、子どもには、骨端軟骨が薄く線のように見え、骨と骨の間にすき間があります。

成人の骨には、軟骨はなく骨で埋まり、すき間がなくなっています。このように、軟骨がなくなり、骨が埋まったように見えると、骨端線が閉じたということです。

骨端線が閉鎖する平均年齢は、男子「17歳前後」、女子「16歳前後」になります。この年齢は、性ホルモンの働きによって起こる「男子の声変わり」や、「女子の初潮」などの第二次性徴(第二次成長)期を経て、子どもから大人の体へ変化し終わる時期です。

そして、第二次性徴期後、骨端線が閉じると、それ以上身長が伸びなくなります。これを、「最終身長」と呼びます。また、最終身長は、計算式から予測することもできます。

両親の身長から子どもの最終身長を知ろう!

身長は、低身長でも高身長でも、両親からの遺伝によるものが多いです。そのため、両親の身長から、将来の子どもの最終身長を計算することができます。

子どもの最終身長を出す計算式

男子の身長=(父親の身長+母親の身長+13)÷2
女子の身長=(父親の身長+母親の身長-13)÷2

【例】中学3年生の女子→168cm
(父→180cm、母→160cm)
女子の身長=(父親の身長+母親の身長-13)÷2
(180+160-13)÷2=163.5cm

この場合は、遺伝による最終身長は「163.5cm」なので、予想よりオーバーしています。他にも、下記の表で「年齢別の平均身長」と比べてみましょう。

平成28年度 年齢別の平均身長

学年・年齢 男(cm) 女子(cm)
小学校5年生・10歳 138.8 140.2
小学校6年生・11歳 145.2 146.8
中学校1年生・12歳 152.7 151.9
中学校2年生・13歳 159.9 154.8
中学校3年生・14歳 165.2 156.5
高校1年生・15歳 168.3 157.1
高校2年生・16歳 169.9 157.5
高校3年生・17歳 170.7 157.8

【例】の女子は、中学3年生で身長が「168cm」です。上記の表では、中学3年生の女子は、「156.5cm」が平均身長になります。両者を比べると、身長差は「12.5cm」あるということです。

ただし、これは遺伝的要素だけを考えた計算式であり、数cm前後の誤差が出てしまうことも考えられます。あくまで参考にする程度にしてください。

しかし、現段階で、両親の身長を元に算出した最終身長や、年齢別の平均身長と比較して、異常に身長が高かったり、体に違和感を感じている場合は、遺伝子異常(染色体異常)や成長ホルモンの過剰分泌による病気の可能性もあります。

身長が止まらない病気がある

実際に、アメリカには、身長が2mを超えた男性が存在しました。彼の名は、ロバート・パーシング・ワドロー と言い、2歳の時にヘルニアの手術をしてから、急速に身長が伸び始めたというのです。

ロバート・パーシング・ワドロー (Robert Pershing Wadlow、1918年2月22日 – 1940年7月15日) は、「疑う余地のない医学的な記録がある中で、最も身長の高い人間」としてギネスブックに記載されている男性。死亡時の身長は272cmという前例のないものであり、体重は約200kgであった。ワドローは成人後も死ぬまで身長が伸び続け、このような高身長になったのだが、それは脳下垂体腫瘍のためであった。

ウィキペディア「ロバート・ワドロー」より引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC

高身長から考えられる疾患

下垂体性巨人症…高身長や手足が異常に成長します。下垂体性巨人症は、成長ホルモンの過剰分泌が原因で起こる大変まれな疾患です。ホルモンの司令塔である下垂体の前に位置する下垂体前葉から、慢性的に成長ホルモンが過剰分泌されます。成長ホルモンの過剰分泌が長く続くと、糖尿病や高血圧などを引き起こします。

成長ホルモンの過剰分泌になる原因は、脳下垂体の腫瘍によって、性腺刺激ホルモンの分泌不全がおこるためです。また、骨端線の閉鎖する時期が遅れると、骨は伸び続けて、2m以上になる症例も報告されています。治療には、薬物療法もありますが、基本は脳外科手術が選択されるようです。

マルファン症候群…遺伝子異常(染色体異常)により、高身長や長い手足になるのが特徴です。他にも、高度の近視や柔らかい皮膚になったり、背骨が曲がるなど骨格に異常が現れるなど、慢性的な症状が出ます。マルファン症候群は、遺伝的要因が強く、「治る」病気ではありませんが、適切な治療によって緩和されます。診断や治療には、複数の専門診療科と連携する必要があります。

基本的に、極めてまれに発症する病気です。高身長の子どもで、上記に書かれているような症状が出ている場合は、早急に病院で診察を受けて下さい。

骨端線が閉じると身長も止まる!

骨端線が開いている成長期の子どもの身長を止める方法はありません。骨端線が閉鎖して、自然に身長が止まるのを待ってください。

しかし、身長が、両親や同世代よりもはるかに高く、またどこか体調に異常を感じていたり、身長のことで悩み過ぎて心の病になりそうなときなど、自分の力では、どうにもできないと感じた場合は、医師の力を借りましょう。

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