身長の低い高校生は「亜鉛」をサプリメントではなく食品で摂取すべき

思春期に入り、成長スパート期が終わりに近づく中学生や高校生は、身長が伸びにくくなります。低身長に悩む子どもたちは、身長サプリメントについて真剣に調べることが多く、亜鉛配合のサプリメントに注目しているようです。

カルシウムやたんぱく質、アルギニンなどは、身長を伸ばす栄養素として知られていますが、亜鉛も身長を伸ばす効果はあるのでしょうか?今回は、亜鉛についてお話します。

亜鉛配合のサプリメントは身長を伸ばす効果がある?

亜鉛が配合された身長サプリメントを摂取しただけでは、子どもの身長を伸ばす効果があるとは言い切れません。しかし、亜鉛不足のときには、サプリメント(栄養補助食品)で、亜鉛を補うことは、子どもの身長に効果があると言われています。

金属である亜鉛は、体に悪いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、人間に欠かせない貴重なミネラルです。なぜなら、亜鉛は、70kgの成人男性であっても、約2gのごくわずかな量しか体内に存在しません。

そのため、大人よりも体の小さい子どもは、亜鉛不足になりがちであり、成長障害などの悪影響を及ぼします。

亜鉛不足は低身長の要因の1つ!

発展途上国の子どもの身長が低い理由の1つには、亜鉛不足によるものだという報告があります。日本では、事例報告が少ないこともあり、亜鉛が不足することで、体にさまざまな不調を起こすということを、医師の中でもあまり知られていないようです。

亜鉛が不足すると、身長に影響をするだけでなく、「食欲不振、味覚障害、口内炎、皮膚炎、脱毛、免疫力低下」などの症状が出てきます。他にも、一般的な貧血の原因である「鉄欠乏性貧血」と同じくらいに「亜鉛欠乏性貧血」も多いです。

体内で作り出すことができない亜鉛は、食事や成長サプリメントできちんと補うしかありません。

亜鉛は子どもの身長を伸ばす栄養素

身長を伸ばすためには、成長期にしか存在しない骨端線が大きく関わります。

身長が伸びるとは、骨端線にある軟骨細胞を増殖させ、骨を伸ばすことです。そして、この骨端軟骨は、成長ホルモンの働きにより増加します。

亜鉛は、この成長ホルモンの分泌を促す重要な栄養成分なのです。

また一般的に、背を伸ばす時期と言われているのが、骨端線が閉じるまでの「小学生~高校生」になります。大人になると骨端線が閉じて、柔らかい軟骨から硬い骨になってしまうため、骨は伸びずに身長も止まります。

つまり、食事でもサプリメントでも、骨端線が存在する成長期(10~18歳)に亜鉛を摂るのがおすすめです。ここでは、亜鉛が豊富に含まれる食品と、1日の推奨摂取量を年齢別にご紹介しましょう。

亜鉛が豊富に含まれる食べ物

豚レバー(80g)…5.5mg
牡蠣(2個・約40g)…5.3mg
牛肩肉の赤身(90g)…5.1mg
ホタテ(1個・約80g)…2.2mg
玄米(1膳・150g)…1.2mg
納豆(1パック・50g)…1.0mg

1日の亜鉛の推奨摂取量(mg/日)

年齢 男性 女性
1~2歳 3 3
3~5歳 4 4
6~7歳 5 5
8~9歳 6 5
10~11歳 7 7
12~14歳 9 8
15~69歳 10 8

基本は、食事で亜鉛を摂取すべきです。なぜなら、亜鉛自体の毒性は弱いですが、亜鉛のサプリメントでの過剰摂取は、体に害を及ぼすためと言われています。

サプリメントによる亜鉛の過剰摂取は危険!

亜鉛は、食品で補う分には問題はありませんが、サプリメントで摂取する場合は過剰摂取に注意しましょう。腸での粘膜による吸収率が低い亜鉛は、過剰に摂取すると、体の外へ亜鉛を排出しようと、嘔吐下痢を引き起こしてしまいます。

また、慢性的に亜鉛を過剰に摂取すると、腎機能障害になる可能性も高ります。亜鉛の摂取量には、十分に気を付ける必要があるため、サプリメントよりも食品から補うことが大事です。それでも、サプリメントを活用したい場合は、色んな情報収集を行い、自分で判断してください。

サプリメントを選ぶ判断方法

判断方法は、ネットの情報や広告に、「牛乳の●倍」というような表記で掲載されているなど、正確な成分の配合量が表示されていない場合は、情報が少なく、安全性も低いです。

確実なのは、購入したい商品の公式サイトに載っているお客様相談センターや、問い合わせ窓口などに連絡したり、医師や薬剤師、管理栄養士に相談して決めるといいでしょう。

亜鉛はサプリメントではなく食品から摂取すべき

子どもの身長は、亜鉛配合の身長サプリメントだけを摂取しても伸びません。またサプリメントは、食品で亜鉛を摂取するよりも、過剰摂取になる危険性が高くなり、亜鉛中毒などの副作用が起きます。

亜鉛は、サプリメントで補うよりも、三度の食事で補うのがベストです。

しかし、ただ食事量を増やすのでは意味はありません。大切なのは、栄養バランスのよい食事を心がけて、1日に必要な栄養素を摂ることです。

小学生~高校生の成長期は、骨の成長に必要な栄養素をしっかり摂りましょう。亜鉛以外にも、骨の土台を作る「カルシウム」「マグネシウム」、カルシウムの吸収率を高める「ビタミンD」、成長ホルモンの分泌を促進する「たんぱく質」、体中に栄養を運ぶ「鉄分」などが重要です。

また、睡眠不足や運動不足にならないように、生活習慣も見直してください。

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