成長期の子どもはまだ早い!身長を伸ばす整形手術はリスクもある

子どもの成長期が終わりに近づくにつれて、伸び悩んでいる我が子の姿を見ていると、これからでもなにかしてあげられることはないかと考えてしまう親は少なくないようです。

身長を伸ばすことができる対策として「イリザロフ法」と「ISKD法」といった骨を伸ばす手術。

数センチでも背を伸ばせることは確かですが、整形手術は知っておくべき情報がたくさんあります。

今回こちらでは、それぞれ具体的な内容についてご紹介します。

成長期は生活習慣で身長が伸びる可能性を秘めている

男性は女性に比べて年齢に関わらず、身長に対するコンプレックスを持っている人が多いです。

そのような理由も仮定としてあるのか、身長を伸ばせるのであれば骨を伸ばす手術を考える人もいます。

しかし、男性は12歳~18歳頃、女性は10歳~16歳頃まではからだが大きくなっていく成長期です。

「良質な睡眠」「適度な運動」「バランスの摂れた食事」といった生活面で環境を整えると、身長の伸びに期待ができます。

軟骨無形成症という低身長症の治療や、事故などで失われた部分の骨の再生法として手術的治療を受けるケースは別ですが、成長期のあいだはすくすくと育つチャンスがあります。

人為的に骨を延長する「イリザロフ法」と「ISKD法」

身長を伸ばすために行う脚延長手術は、骨を切って伸ばしていく治療方法です。

骨を切断すると骨折したときと同じような状態を作ることができます。

骨が折れたときギプスで固定をしていると、「仮骨」という新しく柔らかい骨が形成され、しっかりとした骨になって自然にくっつくことで骨折は治ります。

骨を伸ばすには、この骨折後の自然治癒力を最大限に利用したもので、切った部分が再生していく段階で少しずつ引き離していきます。

仮骨は引き離されたところで次々に作られて、処置を毎日続けていくと骨が伸びて硬い骨となり、身長が伸びるということになります。

この骨を伸ばしていく手法となるのが「イリザロフ法」と「ISKD法」です。

痛みが激しい「イリザロフ法」(外部式)

「イリザロフ法」とは、1950年代にロシアの「ガブリル・イリザロフ」という医師が生み出した歴史ある治療法です。

脚のまわりに大きな創外固定器をつけ、外からネジを回して1日に1ミリほどずつ骨を伸ばしていきます。

個人差はありますが、10センチ以上は身長を高くすることができます。

創外固定器の装着で見た目からも痛みが伝わってくるように、手術後は麻酔も効かないくらいの激痛に襲われ、その痛みに耐えながらのリハビリが強いられます。

治療期間

・治療期間は最低でも3ヶ月はかかり、人によって骨の長さや再生スピードも違ってくるので、なかには数年かかる人もいる

・翌日からリハビリが開始でき、しっかりとしたリハビリを行うと、骨の強度は通常の骨とほぼ変わらないくらいにまでなる

合併症

・感染症を引き起こしやすくなる

イリザロフ法において感染症は最大のデメリットです。創外固定器をつけるため、脚にピンやワイヤーが刺さり皮膚を貫いた状態になります。

その刺入部から細菌が入り、感染発症のリスクが25%高まります。

【主な感染症】
関節拘縮、変形性関節症、コンパートメント症候群

費用

・保険適用外、ISKD法と比較すると多少安いがおよそ700万以上は必要

・日本国内で治療できる病院は数ヵ所

メリット デメリット
リハビリ期間が短い 傷跡が大きく残る
手術翌日から歩行ができる 外見も目立つ
医師の高度な技術が必要とされる

イリザロフ法は、器具の固定力があるため延長後のリハビリ期間が短く、手術を行った次の日から体重をかけて歩くことができます。

反対に、器具をつけることによって動くのも大変になり日常生活に支障をきたします。また、傷跡が残るので、特に女性にとっては大きな傷跡となってしまいます。

最先端の「ISKD法」(内部式)

イリザロフ法よりも情報が少ない「ISKD法」。それもそのはず、「ISKD法」はイリザロフ法よりも新しく導入された治療法で、外側に器具を取り付けることは行いません。

骨の伸ばし方はイリザロフ法と同じですが、「ISKD法」は骨の内部に髄内釘(ずいないてい)という金属性の器具を埋め込んで、磁力で器具を伸ばしていきます。

手術後7~10日あたりから1日0.5~1ミリずつ調整しながら骨を伸ばしていき、最大で8センチほどが限界とされています。

また、痛みもイリザロフ法より少なく、段々と「ISKD法」が主流になりつつあります。

治療期間

・イリザロフ法と同じく最低でも3ヶ月~数年かかる人がいる

・2年以内に体内に埋め込んだ髄内釘を取り出す再手術が必要になる

合併症

・リスクは低いが完全にないとは言い切れない

費用

・保険適用外、イリザロフ法を上回る1,000万以上という膨大な医療費

・治療できる病院が少なく限られている

メリット デメリット
傷跡が小さく残りにくい 器具の強度が弱い
外見も目立たない 歩行がしづらい
早くに入浴可能
医師の高度な技術があまり必要とされない

ISKD法は、外器具をつけないので外見を気にせず生活ができ、傷跡も残りにくいため、女性の方は内部式のISKD法がおすすめです。

手術後の傷が塞がれば、お風呂も早くに入れるようになります。

しかし、器具自体の強度が低いことから折れるといった場合があります。延長期間が終わるまでは体重をかけることができないので、歩くときは松葉づえが必須です。

「イリザロフ法」と「ISKD法」共通のメリット、デメリット

「イリザロフ法」と「ISKD法」はそれぞれ利点や欠点がありますが、共通して言えることもあります。

メリット

まったく異なる2種類の手術方法ですが、双方とも「確実に身長を伸ばすことができる」という利点があります。

デメリット

どちらの手術も、骨を切断して無理やり骨を伸ばすためリスクがつきやすく、時間と高額な費用もかかります。

さらに、運動能力も手術前より80%にまで落ちる恐れがあります。

骨延長術はどんな患者さんが対象?

・骨の成長が止まった人
・年齢制限は特にもうけていないが、一般的に年齢が低いほうが骨形成には有利
・曲がった骨の変形矯正
・小児の低身長
・生まれつき骨が短い人
・何らかの事故によって失われた骨の修復
・骨髄炎や悪性腫瘍などで骨を失ってしまった人

骨延長治療は、小児骨折が原因の骨の変形、成長障害からの形成症患者といった、先天性の骨疾患を抱える人に適した手術療法です。

韓国では手術をしてトラブルも起きている

本来であれば骨延長手術は、先天性の病気や四肢骨変形を正常にするために行う手術ですが、韓国では長身になれるといった美容整形目的で行う人が後を絶たないようです。

しかし、前述でも説明したように手術は大がかりなもので当然リスクも伴います。

手術し1年経過しても骨がくっつかず松葉づえがないと歩行が困難な人、骨盤が壊死した人など、一生ものの副作用で苦しんでいる人もいます。

骨延長手術は最終的な方法としてとらえよう

子どもの身長を伸ばすには成長期にあります。

成長期が終わり、その後も身長を高くしたいのであれば、「イリザロフ法」や「ISKD法」といった骨延長手術しかありません。

骨を切って伸ばしていく方法は、痛みや感染症、治療期間や医療費もかかり、相当なリスクを背負うこととなります。

子どもが低身長で悩んでいたら、一度病院へ行って成長ホルモン治療を受けてみるのも有効です。

病院に行っても無理だったときには手術を検討するなど、本当に必要性を感じた場合の最後の手段として考えましょう。

整形手術は決してプラス面ばかりではない

子どもの身長を伸ばすための手術「イリザロフ法」と「ISKD法」についてご紹介しました。

骨延長手術は確実に身長が高くなってスタイルもよくなり、身長の低さで悩んでいる人にとっては自信を取り戻すことができます。

その反面、合併症など危険性も隣り合わせでハイリスクであることに変わりはありません。

身長は人の目に入りやすく気になるかもしれませんが、個性のひとつでもあると思います。

治療をするかどうかはマイナス面もよく理解したうえで決めましょう。

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