牛乳嫌いの救世主ヨーグルトは身長を伸ばす効果なし?

「ヨーグルトは好きだけど、牛乳の味は苦手でお腹が痛くなる」と言った悩みをよく聞きます。

また、世間一般の情報から「牛乳を飲んでないから、カルシウム不足で身長が低いのかも?」と、考えている成長期(思春期)の子どももいるようです。

腸内環境を良くするイメージのヨーグルトは、身長を伸ばすことにも効果はあるのでしょうか?

身長を伸ばすには「牛乳」と言われる理由

その理由には、身長を伸ばすには、骨を成長させることが大切という考えからです。つまり、「骨端線」が関係しています。

骨端線とは、骨と骨のすき間にある軟骨で、成長期にしか存在しません。この軟骨部分(骨端線)が成長することで、身長が伸びます。

また、骨端線を伸ばすには、成長ホルモンが欠かせません。成長ホルモンの分泌は、質の良い睡眠と運動によって増加します。

そして、骨を成長させる食事もとても大切になってきます。そこで、丈夫な骨を作る栄養素「カルシウム」の豊富な牛乳が、身長を伸ばす食べ物として、世に広まりました。

しかし、牛乳は、味が苦手で嫌いだと答える人の数も少なくありません。また、家庭や学校の給食で牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロして下痢気味になるという、学童期(6~12歳)の子どももいます。

なぜ、牛乳を飲むとお腹を壊すの?

これは、牛乳に含まれている「乳糖」を分解できない為に起こる「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」が原因です。

乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が少ない人は、乳糖を上手く分解できないため、大腸が刺激されて、下痢などを引き起こします。

乳糖とは?

乳糖は、乳および乳製品にのみ含まれる糖類のことです。腸内で乳酸菌の発育を助ける乳糖には、カルシウムの吸収を促進する働きもあります。

牛乳を飲み続けると乳糖不耐症は改善する?

乳糖不耐症は、体質的なものなので、牛乳をたくさん飲めば慣れるとか、乳糖不耐症が改善するというものではありません。

稀に、牛乳を摂り続けることで、克服したケースもあります。つまり、日常的に牛乳を摂取し、体が乳糖に慣れると、お腹を下すこともなく、普通に摂取できるようになるということです。

しかし、乳糖不耐症の人が乳糖を摂り続けるということは、体が慣れてくるまで、お腹の不快感が続く地獄の日々を味わいます。乳糖に、どの程度で慣れるのかは個人差があり、また、本当に自分の体が慣れてくれるとも限りません。

牛乳以外にも、カルシウムが豊富な食品はあるので、そこまでして、牛乳を飲まなければならない理由はないです。

牛乳よりもヨーグルトがオススメな理由

ヨーグルトは、牛乳などに乳酸菌を入れて発酵させた食品のことですが、牛乳よりも「乳糖不耐症」が起こりにくいです。その理由は、牛乳よりもヨーグルトは乳糖が少ないためです。

なぜなら、乳糖は発酵する時に、20 ~ 30%が減少します。そして、残りの乳糖は、体内に入った後に、ヨーグルトに生息する乳酸菌から分泌される酵素「ラクターゼ」が分解してくれます。そのため、乳糖不耐症の人でも食べられるのです。

チーズもおすすめなの?

チーズもヨーグルトと同様に、乳糖不耐症が起こりにくいと言われています。その理由は、チーズを製造するときに出る液体「ホエー(乳清)」となって、ほとんどの乳糖は取り除かれているためです。

他にも、ヨーグルトやチーズのような乳製品には、必須アミノ酸もバランスよく配合されています。子どもの成長や生命維持に必要な必須アミノ酸は、体内で十分に作られないため、食物から摂取しなければいけません。これらには、腸内環境を改善し、便秘解消、免疫力向上などの効果があります。

ヨーグルトには子どもの身長を伸ばす栄養素は入っている?

ヨーグルトは、牛乳に引けをとらず、子どもの身長を伸ばすために必要な栄養素「カルシウム」と「タンパク質」が豊富な食べ物です。

ここでは、100g当たりの牛乳と、プレーンヨーグルトに含まれるカルシウムとタンパク質を比較します。

カルシウム(mg) タンパク質(g)
牛乳 110mg 3.3g
プレーンヨーグルト 120mg 3.6g

ほとんど変わりませんが、牛乳よりもヨーグルトの方が少し多くなっています。ヨーグルトは、もともと栄養価の高い牛乳に、乳酸菌をプラスして、さらに栄養成分をパワーアップさせているのです。

子どもの身長を伸ばす栄養素とは?

カルシウム…丈夫な歯や骨を形成する
タンパク質…骨や筋肉などを作る、成長ホルモンの分泌を促す
マグネシウム…カルシウムの吸収率を高める、骨密度増加や骨折予防の効果
亜鉛…骨の古い細胞から新しい細胞へと代謝をスムーズにする
ビタミンD…血液中のカルシウム濃度を高める、カルシウムを骨まで運ぶ
アルギニン…疲労回復の効果、成長ホルモンの分泌の促進

ヨーグルトには、マグネシウムや亜鉛も入っています。ビタミンDやアルギニンは、他の食材から補う必要があります。

他にも、一般的に体内で合成できないと言われるビタミンが豊富です。日本人が不足しがちな、ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンCのうち、ビタミンC以外は、すべてヨーグルトにバランスよく含まれています。

ヨーグルトの1日の推奨摂取量とは?

栄養豊富なヨーグルトは、優秀な健康食品ですが、1日に最低でも100g、食べても200g程度に、おさえて下さい。たくさん食べると、同時に脂質も体に摂り入れてしまうため、カロリーオーバーになるなど、体に悪影響を及ぼしてしまう危険性もあります。

ヨーグルトは、量よりも毎日継続して食べることを大切にしましょう。

手軽な飲むヨーグルトも栄養満点なの?

液状のドリンクタイプのヨーグルトは、発酵して固まったヨーグルトを軟らかくし、ガムシロップなどに使用される砂糖の仲間「液糖」や、フルーツの「果汁」などで味付けをして、飲みやすくしたものです。

飲むヨーグルトは、牛乳とほぼ同じ量のカルシウムとタンパク質を摂取できます。独特な酸味が苦手な人や、手軽に飲みたい人は、飲むヨーグルトを活用して下さい。

身長を伸ばすのはヨーグルトだけじゃダメ!

カルシウムやタンパク質を摂取するために、牛乳ではなくヨーグルトでも大丈夫です。ただし、ヨーグルトをたくさん食べただけでは、子どもの身長を伸ばす効果はありません。ヨーグルトのみでは、身長を伸ばす栄養素の摂取量は少ないので、他の食材や栄養機能食品で補う必要があります。

ちなみに、管理栄養士による調査から、身長が高くなった人の特徴に、スナック菓子などではなく、食事の一部になる食べ物「おにぎり・果物・野菜(焼き芋)・ヨーグルト・牛乳」を、おやつとして食べていたという結果報告があります。

そしてその中でも、発酵食品であるヨーグルトやチーズなどの乳製品は、お菓子の余分な糖分や脂質を控える目的もあり、「子どもの身長が伸びるおやつに最適!」ということです。

身長を伸ばすには、幼児期からの食事などの生活習慣が大事です。「朝・昼・夜の三食」、そして、「おやつ」などの時間を有効に使いましょう。

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